いまから20年前、2004年の7月24日(土)、スリーピースロックバンドUNISON SQUARE GARDENが結成されました。同級生だったお三方が出会い、バンドを組み、そしてロックミュージックを鳴らし続けてくれたからこそ、いま、わたしはUNISON SQUARE GARDENに出会うことができています。
こんなに夢中になれる音楽をありがとうと、ありがとうの一言しか出てこないもどかしさがありながら、やっぱりお三方には感謝しかありません。
ギターボーカルの斎藤宏介さん。
ベースの田淵智也さん。
ドラムの鈴木貴雄さん。
お三方が大好きです。UNISON SQUARE GARDENが大好きなんです。
その大好きなところを改めて、言語化してみようと思います。20周年にちなんで20個!です。
・スリーピースロックバンドであること
ギターボーカル、ベース、ドラム。音楽を奏でるうえで最低限のバンド構成に、いつも生のロックを感じさせられます。削ぎ落とされたシンプルさながら、お三方の身体から発せられる音は重厚・超絶・至福なロックミュージック。できることをできるだけじゃなくて、到底できないようなことまでやってのけてしまうところに、すごく「生きてる」と実感して、明日への活力が湧くのです。なにより、三人っていうバランスがとても心地よい……。
・仲の悪いお三方の関係性
バンドメンバーの斎藤さん、田淵さん、貴雄さんは高校時代からの仲間。数十年以上一緒にいる同い年とくれば、ともすれば馴れ合ってしまいそうなところ、お三方は「仲が悪い」と自称するような仲間です。もちろん、仲が悪いというのはフリのようなもの。お三方は互いに互いを尊敬しあい、尊重しあう関係性――と思っています。でないと、あんなに息の合った、相乗効果で色付くロックを奏でられるはずがありません。お三方の関係性に名前をつけるとしたら、友だちより、相棒という単語がしっくりきます。プロとして互いに高めあい、支えあう。ときにライブ後にビールを差し入れして、語り合う。そんなお三方の絶妙な関係性に憧れます。
・フルカラーな至上最高のライブ
UNISON SQUARE GARDENといえば、ライブが真骨頂と言ってしまいたくなるほど、ライブがもう最高です。ロックバンドのライブってちょっと怖そう……みたいな印象があったけれど、そんな予想を裏切る、もう何もかも忘れて夢中になれるライブなのです。お三方から発せられる生のロックの破壊力は、ライブでしか味わえないし、音源以上のロックが味わえます。それに合わさる照明もライブの醍醐味のひとつ。七色にキラキラと光るステージを見ると、どうしたって心が踊ってしまいます。
・ほぼ年中無休なロックミュージック
お三方はいつ休んでいるの!?とびっくりしてしまうくらい、年柄年中ロックを届けてくれます。「聞きたい!」と思ったときにすぐにいつでも聞きに行ける機会があるのは、なかなか予定が立てづらい兼業主婦にとってとてもありがたいことです。今回のライブに行けなくても、またいつか会える。そんなふうに思わせてくれる安心感があります。ちなみに、2023年のライブ回数を調べてみたところ、自主企画だけで44回とのこと。すごい……!
・全国各地へ会いに来てくれるところ
わたしがステージ上のUNISON SQUARE GARDENを始めて見たのは、いま住んでいる関東ではなく、大学時代に住んでいた東海地方でした。関東はチケットの当選倍率が高そう……なんて地方を選んでみたけれど、思い出の土地で見るお三方は想像以上に忘れられないものになったのです。わたしが過ごした場所でお三方がロックミュージックを奏でてくれること、その事実が嬉しかったし、よりお三方を身近に感じられたものです。そして地方出身だからこそ、全国各地、どこにいたって来てくれるだろうことが伝わってきて、心配りの温かさとお三方の情熱に泣いてしまいそうになりました。来年こそ、ふるさとの四国でライブを見たい……!
・好き好きで安全に楽しめる90分
なによりライブの好きなところが、各人が好きなように楽しむことができること。手を上げなくったっていいし、揺れなくたっていい。手拍子はないし、コールレスポンスもない。お三方が「好きに楽しんで行ってください」と言うとおり、周りの空気に合わせなくていいところが、自由で好ましいです。同調圧力がなく、どこまでも羽を伸ばせるような。と言っても自由という言葉を履き違えないように、モッシュやダイブといった危険行為がないため、アラサーロック初心者だって安全にライブを楽しめています。おおむね90分、至上最高のロックを。
・何度でも魅惑的なセットリストを味わえるツアー
これまで参加したシングル&アルバムのツアーは、どこでもいつでも同じセットリストでした。2days公演でも、セットリストが変わったことは参加したツアーではありません。つまり、何度だっておんなじセットリストを味わえるのです。昔、セットリストをコース料理に例えたことがありましたが、
美味しいご飯は何度だって食べたい!のです。何度食べたって美味しい。味わうたびにセットリストの読後感が変わるから、ツアーに通いつめたくなるのでしょう。
・ファンのマナーとモラルの高さ
ライブの居心地のよさを支えているのは、スタッフさんだけではなく、ファンそのものだと思うのです。Twitter(現X)では、ユニゾンが好きなファンをユニクラ(ユニゾン好きのクラスター)と呼ばれていますが、わたしのタイムライン上のユニクラさんたちは優しく穏やかな方ばかり。暴言を吐いたり他人を貶めたりしないし、内輪揉めをしたりはしていないように見受けられます。20年続くユニゾンだからこそ、それに恥じないファンであろうという心意気が感じられます。いまのところ、ライブ会場で嫌な思いをしたことはありません。超絶カッコいいロックミュージックが末長く続くよう、1ファンとして気を引き締めていきたいものです。
・どこでも楽しめるロックバンド
そんなこんなとロックはライブが全て!!と言い切ってしまいたくなるけれど、どこにいたって楽しめるのがUNISON SQUARE GARDENです。ライブ会場にいなくても配信でライブを見れたり、事あるごとにライブDVDを売り出してくれたり。ツアーに参加できなくても、会員限定の企画を立ち上げてくださったりと、ロックバンドを楽しませてくれます。とくに会員限定の企画を見るたび、参加していないのにまるで一緒にツアーに参加しているようなワクワク感を味わっているものです。
・お三方自身が楽しんでるところ
お三方の姿を見ると、音楽が楽しい!と伝わってきませんか? ライブもだし、ラジオやMVなどなど。こんなに楽しいことがあるのかってくらい、お三方の演奏と言葉はいつも輝いて見えます。彼ら自身が楽しんでいるからこそ、見ているこちらまで楽しくなっちゃうのでしょう。つい笑顔になって、落ち込んでた気分とか憂鬱とかがパーッと晴れていく。青空のように明るい気持ちになれるのです。
・20年輝きつづけるロックナンバー
USGが奏でるロックは、いつの時代のものでも変わりません。多才で多彩。2024のいまでも、センチメンタルピリオドが1stシングルだということが信じられないほど。古めかしさがなく、何度聴いても「いいな」と思います。アップテンポな曲から治安悪めのマイナーキー曲、ストリングス・ホーン同期曲まであるのだから、飽きることがありません。爽やかなメロディは自然と身体が揺れるし、語りかけてくれるように歌われるバラードはすっと心に染みていく。どの曲もUNISON SQUARE GARDENらしさが詰まってるものばかりで、一度聴いたらトリコになってしまうのです。
・難解だけど寄り添ってくれる歌詞
さらにUNISON SQUARE GARDENの曲を彩るのが、歌詞。「最低限のアナトピア」や「小波風景描写」など、一見何を言ってるか分からないような歌詞がありますが、さまざまな楽器を聴いてみると、わたしたち物好きな「きみ」に対して、メッセージが込められているのが想像できます。たとえば「さわれない歌」では、
思い切り泣けばいい 立ち上がるころに強くなる
と、弱さを肯定してくれているけれど、
この手は差し出さない
と、過保護な甘えは否定的で、崖から子どもを落とすライオンのよう。厳しさがありながら、ちょうどいい場所から応援してくれるのではないかなあと感じます。それだけじゃなく、「斎藤に任せといて」なんて斎藤さん本人に歌わせる遊び心があったり、センチメンタルピリオドと101回目のプロローグの歌詞がリンクしていたりと、歌詞を深く味わう楽しみがあります。もちろん、歌詞を味合わなくてもよいし、どう味わっても正解なのがUSGらしいです。
・バッチバッチにカッコいいところ
誤解を恐れずに言うと、お三方ってめちゃくちゃにカッコよくないでしょうか? 外見はもちろん、ロックを体現しているような内面や生き方が全てカッコいい。お三方を見ると、ドキッと胸が高鳴ります。鳩尾の柔らかいところを掴まれてるような心地になるのは、お三方が、それぞれ歩むべき道を歩みたいように進み続けてくれているからに違いありません。芯があってブレず、ちっぽけな世界になんて振り回されないから、お三方をカッコいいと感じて、自分も正直に美しく生きようと思うのです。
・物好きを大切にしてくれるところ
2024年になって、めっきりレンタルCDサービスが減ってしまいました。近所のTUTAYAも、レンタルコミックだけになってしまうような世の中で、USGは CDにこだわって発売してくれます。サブスクリプションはあるけれど、いまどき CDが好きな物好きのため、 CDを買うとちょっぴり早く聴けるといった、いい思いができます。ブログを読んだりラジオを聴いたりなど、情報を得るのにワンアクション必要なときこそ、ここだけの秘密が知ることができるように。ロックを好きな人を取りこぼさずに見守ってくださっているのだろうとニヤけてしまいます。
・言葉で伝えてくれるところ
そう、お三方は音楽だけでなく言葉で想いを伝えてくれます。斎藤さんはMCで、田淵さんはブログで、貴雄さんはFCラジオやTwitterで。雑誌やWEB誌のインタビューを含め、それらの言葉の数々がどれほど支えになっていることでしょう。言葉を大切にしているお三方の話は、心からの気持ちがこもっています。だからこれから先もロックバンドが続いていくだろうことが分かって、奮い立つような気持ちになるのです。未来への約束があるって、とっても嬉しいし、励みになります。
・付かず離れずちょうどよい距離感
かと言って、ファンに媚びすぎないのがUSGです。FC会員だからと言って、ツアーに全通できるほどのチケットが当選することはおそらくありません。先日20th記念の一環として突如発表された下北沢 CLUB Queでのワンマンライブのリバイバルライブは、FC先行すらない、すべて一般発売の"運"でした。ロック好きには誰にだって門戸を開く、公平さ。潔さが最高にロックです!
・有頂天にならない謙虚さ
長らくバンドを続けていると、「オレたちが大御所だ!」みたいな大きな顔をしてもいいのに、USGは控えめと言っていいくらいかもしれません。決して天狗になることはせず、粛々とロックミュージックを鳴らしてくれます。お三方の日々の精進はずっと止まらないのでしょう。武道館を一瞬で満員にするくらいの人気があるのに、もっとよいロックを作ろうとされているのが伝わってくるのです。大きな会場だけでなく、小さなハウスでもライブをしてくれます。その度、「きみにロックを届けること」を信条に、メディアへの露出をコントロールしているのかな?なんて思ったりも。
・重課金しなくても推せるところ
好き好きと言えば、課金もです。CDを買ってとかライブに来いとか言うわりに、強制はありません。一番高いBOXを買えだとか、はたまたCDに握手券が付いたりだとかも。各人ができる範囲で楽しめと言われているのが分かります。Youtubeやtiktokなど、無料の動画サービスもそのひとつ。なんと言っても、Youtubeにアップロードされていた「リニアブルーを聴きながら」を見てUSGに出会ったので、推しに課金することが全てではないと思うのです。もちろん、推したいときにはグッズやライブなどにお金を使うけれど、USGの、金欠だったとしても推せばいいんじゃない?と肯定してくれてるようなスタンスに安心感を覚えます。
・音楽を愛し愛されているところ
きっとお三方は、音楽を心から愛していらっしゃるのではないでしょう。恋人・家族・友人がロックバンドのような。でないと、私生活を費やす(のように見える)活動ができないのではないかと想像します。好きだから音楽に全力投球されて、ロックがどんどん進化していく。絶え間ぬ努力をされ、好きに全身全霊なところが大好きです。
・ゆるキモかわいいマスコットキャラクター
最後の20個めはやはり、斎藤画伯の描くキャラクターでしょう。ふさお、カレーぱんくん、しょくぱんくん。一度見たら忘れらないバンドの象徴となっているキャラクターたちは、ゆるキモかわいい。どこを見てるか分からない目線がそうさせるのか、じっとりと見られているような心地になって、ついライブやお出かけに連れて行きたくなります。とくにしょくぱんくん、手足が生えるとキモかわいさが冗長されます。ポーチは使いやすくて、ラババンや缶バッチを収納でき、重宝しているのでした。
20個書いてみると、音楽だけでなくお人柄までまるごと大好きなのだと気づきます。超絶技巧なお三方の――斎藤さんが歌い鳴らし、田淵さんが踊り重ね、貴雄さんが支え彩色する――ロックバンドの、ロックな生き方に惹かれているのです。音楽は「人」と「人」とを繋げるものだろうから、こうしてお三方の音楽と、そしてお三方自身に出会えたことか嬉しくてたまりせん。
20年、誰ひとりとして欠けずに続けてくださったと、本当にありがとうございます。20年も歩み続けるというのは、並大抵のことではないでしょう。想像しただけで、途方もない道のりが見えてくるような気がします。ちょっと陳腐な台詞だけど、軌跡が奇跡なんて言葉が浮かぶほど。
これからもどうか、フルカラーなロックを味わえますように。20周年、結実のとき、本当におめでとうございます。
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