小さな箱庭Diary

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【読書記録】1月は巣ごもり読書な日々です

毎年、年の始めは活字中毒のように読書に夢中になっています。もう活字が読みたくて読みたくてたまらなくなってしまい、紙の書籍を読み切ってしまうと、初めての電子書籍に手を出すほどです。

「読書の秋」と言うけれど、わたしにとっては「読書の冬」なのかもしれません。2023年1月も、そんな巣ごもり読書の日々になりました。

今日は1月に読んだ本をご紹介します。

誉田哲也 「武士道シックスティーン」 

剣道への向き合い方がまったく対照的な2人の女子高生が出会い、ライバルとして互いに影響し合う中で様々な迷いや葛藤を繰り返しながら成長していく姿をユーモラスかつさわやかに綴った青春剣道ストーリ。

https://ja.wikipedia.org/

図書館の一角に「ティーンにおすすめ小説」として飾られていたことがきっかけで、1年の始めに読みました。剣道ものを読むのは初めてだったけれど、女子高生たちの心情を中心に丁寧に描かれていて、ルールを知らずとも夢中になって楽しめる一冊です。

主人公の一人、剣道は勝ち負けだと信じている磯山の、暴言を吐いたり暴力を振るうなどあまりに強い姿勢はやりすぎじゃないかなとハラハラしつつも、もう一人の主人公である西荻や部活の先輩・街の人々などによって、徐々に心持ちが変わっていくところがとても爽やかでよかった……。

「風が強く吹いている」や「一瞬の風になれ」など、青春スポコンストーリが好きな方なら好きになってしまうことでしょう。

小野不由美 十二国記シリーズ 「魔性の子」「月の影 影の海」「風の海 迷宮の岸」

十二国記』は、神仙や妖魔の存在する中国風の異世界を舞台にしたファンタジー小説シリーズ。この異世界には十二の国が存在し、各国は王政国家である。麒麟が天の意思を受けて王を選び、王は不老の存在となり天の定めた決まりに従って統治を行う。

魔性の子は、異世界が現実世界の人間社会に干渉したときの恐怖を、現実世界側からの視点で描くホラー色の濃い物語。

https://ja.wikipedia.org/

もはや説明不要のファタジー小説の最高傑作である十二国記を、0巻からシリーズ2巻目まであっという間に読んでしまいました。実はシリーズ5巻目である「風の万里 黎明の空」までは一度読んだことがあるのですが、そんなことを忘れて物語の世界に没頭できるのが十二国記シリーズの魅力。

0巻目である「魔性の子」はあらすじの通りホラー色の濃い一冊ではあるものの、どのレビューサイトを見ても書いてあるとおり、この物語から読むのをおすすめします。二度とできない「何かがおかしい」と思うような異質な恐怖体験ができますし、これから広がっていく世界の始まりを味わうことができます。

シリーズを読み進めるにつれ、「魔性の子のアレはコレだったんだ!」と、点と点が線で繋がる瞬間も楽しく、注文したシリーズ3巻目が届くのが待ち遠しくてたまりません。

道尾秀介 「光」

利一が小学生だった頃、仲間といれば毎日が冒険だった。真っ赤に染まった川の謎と、湖の人魚伝説。偽化石づくりの大作戦と、洞窟に潜む殺意との対決。心に芽生えた小さな恋は、誰にも言えなかった。懐かしいあの頃の記憶は、心からあふれ出し、大切な人に受け渡される―。子どもがもつ特別な時間と空間を描き出し、記憶と夢を揺さぶる、切なく眩い傑作長編小説。

https://www.amazon.co.jp/

主人に図書館で借りてきてもらった一冊です。どうしてもお出かけしたくないほど疲れてしまったときに、著者を指定したおつかいをお願いしてしまっています。これまで読んだことのない本に出会えることも多く、「光」もそのうちの一つ。

道尾秀介さんといえばグイグイ引き込まれるようなミステリー小説が頭に浮かびますが、「光」はスタンドバイミーのようにゆるやかに展開する、幼い少年・少女たちの懐かしい記憶を描く小説でした。

ハラハラドキドキ度は少なく、スリル要素はほぼありません。ですが、読後感のきらきらと朝日のように光る切なさはひとしおです。もちろんミステリー要素も健在で、読んだ後に分かる1ページの意味には、思わず「そういうことか!」と膝を打っていたほど。

物語の端々に散りばめられたヒントが繋がる瞬間は、何度味わっても面白い……。二度読みたくなる!という点で、同著者の「ラットマン」に通じるものもありました。次は「N」を読んでみたいと思います。