小さな箱庭Diary

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【2023年】出会えてよかった!本5選

図書館で背表紙が気になったり、kindleでふと試し読みをしてみたりと、本との出会いは偶然です。たくさんある本のなかからその本を読むか読まないかは「縁」だし、素晴らしい物語や言葉に触れるたび、本との出会いに胸がいっぱいになります。

2023年は、一度読んだ本ともう一度出会う再読を中心に、あわせて50冊の本を読みました。今日はそのなかから、出会えてよかった!と思う本を5冊ご紹介します。

上橋菜穂子 「精霊の守り人」 

腕ききの女用心棒・バルサはある日、川におちた新ヨゴ皇国の第二皇子・チャグムを助ける。チャグムは、その身に得体の知れない“おそろしいモノ”を宿したため、「威信に傷がつく」ことをおそれる父、帝によって暗殺されそうになっていたのだ。
チャグムの母・二ノ妃から、チャグムを守るよう依頼を受けたバルサは、幼ななじみの薬草師・タンダの元へ身を寄せる。そして、バルサとチャグムは、タンダとその師である呪術師のトロガイから驚くべきことを告げられるのだった ── チャグムに宿ったのは、異界の水の精霊の「卵」であること、孵化まで守らないと大干ばつがおこること、そして、異界の魔物がその「卵」をねらってやってくること ── 。

帝のはなつ追っ手、さらに人の世の力をこえた危険から、バルサはチャグムを守り抜けるのか? バルサとチャグムの出会いから始まる、「守り人」シリーズの第1作。

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異界と人の世界が交錯する舞台のうえ、女用心棒・バルサと新ヨゴ皇国の第二王子・チャグムのそれぞれの旅路が描かれている「守り人」シリーズは、児童文学だからこそ、大人が読むべきシリーズなのかもしれません。アラサーのわたしが読んだとき、ビビビッと頭に衝撃を受けたくらい、決して甘くない物語に打ちのめされました。甘くはないけれど、理不尽ではないし、その過酷な旅路を進む主人公たちのたくましさに強く惹かれます。

上橋菜穂子さんの著書は「獣の奏者」シリーズも読んだことがあるけれど、どちらも女性が強いところがとても素敵。か弱い守られる存在としてではなく、守る立場として書かれているところに、「わたしもこうなりたい」と憧れてしまいます。心身ともに強いバルサに夢中になりながら、シリーズ全13巻をすべて読了しました。

 

小野不由美 「白銀の墟 玄の月」

18年ぶりの書下ろし新作、ついに!驍宗様(あなた)こそ泰麒(わたし)が玉座に据えた王。だが――。戴国の怒濤を描く大巨編、開幕!

戴国(たいこく)に麒麟が還る。王は何処へ──。乍(さく)驍宗(ぎょうそう)が登極から半年で消息を絶ち、泰麒(たいき)も姿を消した。王不在から六年の歳月、人々は極寒と貧しさを凌ぎ生きた。案じる将軍李斎(りさい)が慶国(けいこく)景王(けいおう)、雁国(えんこく)延王(えんおう)の助力を得て、泰麒を連れ戻すことが叶う。今、故国(くに)に戻った麒麟は無垢に願う、「王は、御無事」と。──白雉(はくち)は落ちていない。一縷の望みを携え、無窮の旅が始まる!

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言わずと知れた18年ぶりに出版された十二国記シリーズの最新作。2023年1月の読書記録に書いたあとすぐにシリーズを読み進め、あっという間に最新作まで読了してしまいました。もし発売と同時に十二国記に出会っていたら、「黄昏の岸 暁の天」から18年も待たないといけなかっただなんて、続きが気になりすぎてきっと耐えられなかった…。Amazon.co.jpでポチると、すぐに最新刊を届けてくれるprime会員でよかったなあと思ったものです。

新刊が届いたその日、はじめの1ページをめくったときのドキドキは、「奏麒はどうなったんだ!!」の不安と緊張とで、手汗をかいていたほど。冒頭のシーンから少しずつ広がっていく十二国記の世界に没頭して、久しぶりに深夜まで本にかじりついていました。叶うことなら徹夜してでも読みたい!と悶えたくらい、その重厚&濃密な世界観は変わらず、国に生きている人々が丁寧に描かれています。

そう、十二国記のキャラクターは"生きて"いる。だから登場人物の―― 将軍・李斎の葛藤、 武人・ 項梁の闘魂、黒麒・奏麒の決意――などが手にとるように感じられ、まさに十二国という"ある国"のできごとを間近に見させてもらっているようでした。もう圧巻!の4部作です。

 

百田尚樹 「フォルトゥナの瞳」

幼い頃に家族を火事で失い天涯孤独の身となった木山慎一郎は、友人も恋人もなく、
自動車塗装工として黙々と働くだけの日々を送っていた。
だが突然「他人の死の運命」を視る力を手に入れ、生活は一変する。
はじめて女性と愛し合うことを知った慎一郎の「死の迫る人を救いたい」という思いは、無情にも彼を窮地へと追いやり……。
生死を賭けた衝撃のラストに心震える、愛と運命の物語。

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不思議な力を持ってしまった寡黙な青年が、はじめて愛し合える女性と出会う恋愛小説――なのですが、ただの恋愛小説ではなく、特別な力があるがゆえの青年の葛藤や戸惑いが濃厚に書かれていて、その濃厚な心理描写と展開に、読了後、しばらく現実に戻ってこれなかった1冊です。大切なひとに出会ったからこそ、救いたいと思う。そんな青年の心情が痛いほどに感じられたし、それほどに愛することのできる女性と出会い、青年の人生が豊かに彩られていく様子がとても美しかった…。

ぜひ本編読了後、フォルトゥナの意味を調べてみてください。最後の数ページでその意味を突きつけられる、まさに衝撃のラストです。


三浦しをん 「政と源」

東京都墨田区Y町。
つまみ簪職人・源二郎の弟子である徹平(元ヤン)の様子がおかしい。原因は昔の不良仲間が足抜けすることを理由に強請られたためらしい。それを知った源二郎は、幼なじみの国政とともにひと肌脱ぐことにするが――。
弟子の徹平と賑やかに暮らす源。妻子と別居しひとり寂しく暮らす国政。ソリが合わないはずなのに、なぜか良いコンビ。
そんなふたりが巻き起こす、ハチャメチャで痛快だけど、どこか心温まる人情譚!

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何度読んでも、政と源は2人合わせて146歳の幼馴染という登場人物からして面白い! ほっと心を温めたいときについ手にとってしまう、大好きな物語のひとつ。髪の毛を真っ赤に染めてお葬式に来る源と、妻子に別居され慎ましく一人暮らす政は、暮らしも性格もまるで正反対なのに、何かと二人は一緒に過ごす、その幼馴染ならではのちょうどよい距離感が心地いいのです。あーだこーだ言いながらも付き合っているおじいちゃんたちが、とても愛おしくなっちゃう。

そんな二人の人情譚は、東京都墨田区Y町という舞台で繰り広げられるのですが、田舎の実家で暮らしていたときは分からなかった、下町の奥ゆかさが感じられるようになりました。本は時間をあけて読んでみるとまた違った発見があって、再読はやめられないなあと思います。

 

鈴木祐 「最高の体調」

「文明病」から脱却し、本来の自分を取り戻せ!!

日々の不調や不満には様々なレベルがあります。たんに朝起きられないという人もいれば、仕事の集中力が続かなくて作業が進まないという人もいるでしょう。さらには、怒りや不安がコントロールできずに人生が上手くいかない人、つねに体調不良に襲われている人、毎日の暮らしに張り合いがなく空虚な気持ちのまま暮らしている人など、症状や問題の深刻さには個人差があるはずです。

通常、これらの問題は別々に取り扱われます。やる気がない人には「自己啓発本」、仕事の効率が悪ければ「ビジネス書」、感情のコントロールができない人には「心理学書」、体の不調には「家庭の医学書」といった具合です。
これはこれで効率的なアプローチですが、いっぽうでデメリットも存在します。
それぞれの問題が、あたかも別々の現象であるかのように見えてしまうため、どうしてもその場しのぎの解決策になりがちなのです。

風邪を引いたら風邪薬を飲み、関節が腫れたら軟膏を塗り、頭痛が起きたら痛み止めを手に取る。これらの対処法は間違いではないものの、あくまで表面に現れた症状をやわらげているに過ぎません。症状の奥にある本当の原因を突き止めない限り、今後も同じ問題は起き続けるはずです。

そこで、本書では、より総合的なアプローチを取ります。
まずは現代人が抱える問題の「共通項」をあぶりだし、そのうえで、すべてを柔軟に解決する汎用的なフレームワークを提供するのが最終的なゴールです。

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5冊目は実用書から。これまで実用書を読むのはめったになかったのだけれど、どうしてもアラサーゆえの体調不良というか元気のでなさが気になって、科学的根拠から具体的な方法を書いてくれている本書を読んでみました。研究結果をもとにしたアドバイスは読みやすく、「これやってみようかな?」とすぐに実践したくなります。たとえば、森林のBGMを聞きながら仕事をするとか、マルチタスクをしないとか。それぞれ根拠があるぶん納得感があり、押しつけがましさがありません。

不調の原因をまとめると、短い人類の歴史からすると、現代の食事・睡眠・デジタルデバイスなどは急激すぎる変化だから、原始時代の生活に寄せていくとよいとのこと。たしかにスマホ脳でも似たようなことが書かれていたなあと、点と点が線で繋がったものです。

筆者・鈴木さんのかみ砕いた説明はとても分かりやすく読みやすかったので、実用書の入門書としてもおすすめできる良書でした。

 


 

今年もたくさんの本に出会いたいし、もっと本のことについて書きたい!と、今日の記事から、本ブログ小さな箱庭diaryに、「読書」カテゴリーを追加しました。毎月の読書記録や読書のおとも・わたしの蔵書など、読書にまつわるあれこれについて書いていきたいと思います♩

 

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