小さな箱庭Diary

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「Yesterday Once More」を300回聞いて泣いたとき

初めて聞く音楽でも何度も繰り返し聞いていれば、「ふと昔の記憶が蘇ってくる」ことに気付いたのは、「Yesterday Once More」を300回聞いたとき。何度も聞いているうち、過去を思い返して、泣いてしまったことがあります。

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「300回も?」と思うかもしれませんが、もちろん300回連続ではなく、1日20回ぐらいを続けて300回。英語のリスニング力を上げたくて、教本の「英語耳」どおり、真面目に取り組んでみたものです。

どうもリスニング100%を体験できるらしい練習方法が、英語の歌を300回聞くこと。半信半疑で「Yesterday Once More」を選んだのは、本のなかでもカレン・カーペンターの発音が「英語の発音学習者にとってバイブル的な存在」として取り上げられていたから。

英語の歌なんてこれっぽっちも知らなかったけれど、流石に「Yesterday Once More」の名前は聞いたことがあったし、有名な曲なら飽きなさそうと思って、「Yesterday Once More × 300回」の旅に出ることにしました。

1回目の「Yesterday Once More」の衝撃は――いまでも忘れません。哀愁がただようようなメロディーラインに沿って紡がれる、カレンの独特なハスキーボイス。「カーペンターズってめっちゃかっこいいやん!」なんて、主人に同意を求めてしまったほどです。

言葉は分からなくても、メロディと歌声に心を揺さぶられ、英語の勉強だということを忘れて夢中になってしまう。30年前のロングセラー曲なのに色あせないどころか、眩しいほどの色を差し込んでくれるようでした。

毎日、iPhoneで「Yesterday Once More」を聞くのも、苦になりません。むしろ、何度も聞きたくなる。そうしてあっという間に10回になり、30回、50回。何度も聞くうち、少しずつ英語が聞き取れるようになるもので、100回目ぐらいになると情景が思い浮かぶように。

カレンが穏やかな表情をしながら、ラジオを聞いているシーン。過去を懐かしんで思い出して笑うようなシーン。繰り返し、繰り返し聞いていると、その情景がいつしか自分に重なって、“ふと昔の記憶が蘇ってくる”。

思い浮かんだのは、やっぱり大学時代の夜のにおい。海辺で花火をしたり、徹夜で論文を書いたり、何かにつけて飲み会したりパーティーしたりしていた――もう二度と戻れない、大切な思い出たち。

ノートに書き取った歌詞を読みながら聞くと、なお鮮明に情景が思い浮かび、英語の意味が分かるようになると、胸が締め付けられて痛いほどです。

大学当時、「Yesterday Once More」は一回も聞いていません。でも、素晴らしい曲というのは、そうした経験を無視して、いつでも心を時間旅行させるのでしょう。100回、200回、250回と繰り返すたび、何度でも心は大学時代に戻っていく。あまりのセンチメンタルさに、いつの間にか、聞きながら涙が頰をつたっていました。


300回聞き終えたいま、やり遂げたという充実感とともに、慈しんだ思い出たちがわたしの側にいます。それはこれからも決して消えないでしょうし、曲を聞くたび、蘇ってくるのだと思っています。

カーペンターズのロングヒット曲、ぜひ、聞いてみて下さい。