2022年4月1日(金)から始まったUNISON SQUARE GARDENの対バンツアー、fun time HOLIDAY 8。何を隠そう、人生で初めてUNISONのライブに参戦したのが今回のfun time HOLIDAY 8 です。
今でもその緊張をハッキリと思い出せる、4月13日(水)に開催された名古屋公演(日本特殊陶業市民会館フォレストフォール)についてレポートします。
セットリスト
名古屋公演のゲストはマカロニえんぴつでした。
感想
1F1桁席の破壊力
UNISONを好きになってから初めて、目の前で音楽を奏でる三人を見れるわけですから、緊張しないのが無理というもの。にも関わらず、なんと今回、1F1桁台の席に当選してしまいました……!
あまりにも近すぎて、チケットを発券してから3回は見ましたし、自宅でメジャーを使ってステージからの距離感を想像してから望みました。
それでも実際に会場入りしたときは、その想像をはるかに超える近さに「あ、これは泣く」と脳内処理がストップ。ちょうど左端・前側通路だったこともあり、視界はクリアすぎるほどなのです。
席に座っていても、細かな機材まで見えてしまう。ライブが始まるまで、「どうしよう、どうしよう」と混乱気味……。
緊張は興奮に。勝手に体が揺れるポップなマカえん
UNISON主催の対バンということで、マカロニえんぴつからライブがスタートしなければ、おそらく号泣していたと思います。
The Beatles のHey Bulldogとともに入場してきた彼らの初手は(UNISONに関わらずロックバンドは入場SEが流れるのだと知る)、まさかの「オリオンをなぞる」のワンコーラスカバー。
アルバム「hope」で予習していたことなんて真っさらに覆されるような、先輩バンドへの敬愛を感じる始まりに、少し緊張がほどけました。
ポップなだけでなく、エネルギッシュな音を奏でるその眩しいパフォーマンスを見ていると、勝手に体が揺れはじめます。
ライブは不思議なもので、アルバムで聴いたときより曲が腑に落ちていくのです。「レモンパイ」や「ブルーベリー・ナイツ」といったマカえんの代表曲はもちろん、1度も聴いたことがない曲でも、「これがマカロニえんぴつなんだ」としっくりする感じ。
ほんとうにどの曲も耳ざわりがいい。全員が音大出身というメンバーが繰り出す巧妙なテクニックから成り立つ曲は、聴いているうち、楽しい気持ちになります。わたしだけでなく、会場全体が明るい雰囲気になっているのを感じました。だからこそ、マカえんは全年齢対象ポップスロックバンドなのかもしれません。
惜しむべきは左端だったため、ベース・ドラムの大音量を浴びすぎて、ボーカルはっとりさんの歌詞があまり聞き取れなかったこと。何度もギターを持ち替え、曲によって繊細にリード音を変えながら歌われていたので、歌声やMCはもっとしっかりと聴いてみたかったです。
その代わり、キーボード長谷川さんがすごく楽しそうに演奏されていたのをバッチリ見ることができました。複雑に何台ものキーボードを演奏されているのに、ずっとニコニコ笑っている。そんな様子を見ていると、こちらも自然に笑ってしまうものです。
間違いなく、長谷川さんとは何度も目が合いました。
大大興奮のUNISON SQUARE GARDEN
マカロニえんぴつの演奏ですっかり暑くなった会場は、そのままステージ転換に入ります。10分ほど椅子に座れる時間があり、体力のないアラサーには助かりました。
すでに息が上がっている目の前で、UNISONの機材が運ばれてきます。DVDで何度も見た、貴雄さんのドラム、斎藤さんのギター、田淵さんのベース。「うわ、うわ、うわ、本物のUNISONだ〜〜〜!」とその時点で大興奮。
UNISONスタッフさんが、丁寧にセッティングされているレアなシーンも見れ、チームでライブを作り上げているんだな、なんて当たり前のことを思っているうちに……。
登場SE:絵の具
ステージがほのかに青くなり、イズミカワソラさんの「絵の具(r-r ver.)」が流れはじめました。その瞬間、心臓がドッと鼓動して、体は燃えるように熱くなる。会場の熱気も一気に盛り上がり、全員がUNISONの登場を待ち望んでいるかのよう。
静かなピアノメロディから始まった「絵の具」。3つの音が1つ1つ混じりあっていくのに合わせ、舞台袖からUNISONのお三方が出てきたとき、マスクがなかったら、「うわー!」と叫んでいたでしょう。脳内ではもちろん叫びっぱなしです。
貴雄さん、田淵さん、斎藤さんの順番でステージに上がるとすぐ、1曲目の23:25がスタート。気がついたら、無我夢中で右手をあげて、ぶち上がっていました。
リニアブルーを聴きながら
もう、何度聞いたか分からないUNISONの曲の中でも、わたしがロックバンドにハマるきっかけになった大切な曲が「リニアブルーを聴きながら」です。
ゲストのマカロニえんぴつに「青春」のイメージがあったので、「もしかすると“青”繋がりでリニアブルーやってくれるかな」なんて思っていたら、まさかの2曲目……!
頭が真っ白になって、何も考えられません。
いっときは1日中ループ再生していたリニアブルーを、生演奏で聴いている。田淵さんの跳躍を、貴雄さんのドラムロールを、斎藤さんが歌っている姿を、間近の距離で見ている。
あまりの衝撃に、半ば放心状態です。衝撃が強すぎたのか、ここから数曲は、狂ったように右手を振っていたことしか覚えていません。
MR.アンディ
はっと気づいたら、貴雄さんの背後にスタッフさんが。両手にヘッドフォンを持っているようで、「どうやら次は同期曲なんだな」とぼんやり思っていました。(席が1桁台だと、こうした些細なやりとりが見れるのも面白い。)
スタッフさんのヘッドフォン装着は、巧みな手さばきです。たいてい、UNISONのライブは怒涛のように曲が続けられるため、タイミングよく貴雄さんの頭に装着しなければならないのでしょう。
貴雄さんは貴雄さんで、片手でドラムを叩きながらヘッドフォンの位置を直していました。それも、ひとつのリズムの狂いなく。
思わず、「どういうこと?」と目をひん剥いてしまいます。
「君は残像に」どころか、弾け散ってしまうかと思うほどでした。
夢が覚めたら(at that river)
一呼吸すら休まないライブも、MR.アンディからようやくスローテンポになり、「夢が覚めたら」のバラード曲へと移ります。この時点では、「夢が覚めたら」がライブ未発表曲だと知らず、「UNISONのバラードもやっぱり素敵」と、しっとり聴いていました。
まさか初めてのライブで、何年も発表されなかった曲を聴けるとは……。席位置もそうですが、1回目からライブ運を使い果たしてしまった……かもしれません。
徹頭徹尾夜な夜なドライブ
バラードが終わったら、早速バッチバッチのセッション。からの「Nihil Pip Viper」。からの「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」
ふり続けた右手がプルプル震えるなか、ステージ上では田淵さんが縦横無尽に動き続けています。今年、37歳とは思えず、「体力おばけ」なんて言葉が脳裏をよぎりました。
自分は左端の前方にいるはずなのに、それでも田淵さんが見えなくなる。ステージの奥に行ったり、はたまた斎藤さんの方まで走っていったり。
いったい、どうやってベースを弾いているのでしょうか。耳には「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」のメロディが届いていましたが、不思議でたまりません。
そして、「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」はとにかくライブで踊れる曲。ドライブ中、右手を振り続けていたら途中で息切れし、汗が滝のように流れ、翌々日に筋肉痛になりました。
アップテンポなサビは、ジュリ扇を振り回したくなるような中毒性もあります。
君の瞳に恋してない
「kid,I like quartet」で生ベース砲が見れた!と感動していたら、斎藤さんが「ラストッ!」と一声。あっという間にラスト曲です。
これまで、一言も発していなかった斎藤さん。MCは必要ないからしない、というポリシーは真実なんだなと、なお感動してしまいます。
貴雄さんがヘッドフォンをつけて、同期曲の「君の瞳に恋してない」が始まりました。
ラストなのに、1曲目のように心が踊る。開放感のあるトランペットの音に合わせ、お三方がいつも通り楽しそうに演奏する姿を見てると、「ありがとう」と感謝の気持ちが溢れてきます。
田淵さんは最後まで、ステージ上を動き回りながら会場を見渡しています。「おまえら楽しんでるか!」と投げかけるように。そんな田淵さんと、間違いなく何度も目が合いました。たぶん、前方にいた人は、田淵さんと目が合った!と思ったはず。違っていたとしても、そう思わせるだけの強い眼力でした。
手が痛くなるほど拍手をして、いったん、終演です。
アンコール:kaleido proud fiesta
約1時間、ぶっ通しで演奏を続けたUNISONがアンコールに応えてくれたあと、ようやく斎藤さんのMCに。
「マカロニえんぴつが盛り上げた会場、めちゃくちゃあついね!」という趣旨を、とても良いお声で話されていました。前半戦に比べ、マイク音量を調整されたのか、左端席でも斎藤さんのお声が聞きやすかったのが嬉しかったです。
話の中で印象に残っているのが、マカロニえんぴつのことを「星みたいなバンド」と言われていたこと。後輩バンドのことを心から尊敬されているのだなと思いましたし、「星」という例えがUNISONらしさを感じて、じーんとしてしまいました。
さて、問題のアンコール曲が「kaleido proud fiesta」
斎藤さんが、
「えー、それで今日、新曲kaleido proud fiestaが発売なんですけど……せっかくなので、やろうと思います」
ようなことを言われた瞬間、びっくりするやら嬉しいやらで「!?!?!?!?」でした。
セトリは(リニアブルーを聴きながら以外は)全く予想してこなかったのですが、まさか発売日当日に新曲を引っさげて来るとは思いません。しかもライブ当日、出発前にCDをギリギリで受け取ることができ、1度だけ聞いていた――何かしらの、UNISONとの“縁”まで感じます。
ライブ会場での新曲は、ほんとにすごかった……です。ライブの魔力なのでしょうか、1度しか聞いたことはないはずなのに、何度も何度も繰り返して聞いたかのように、五臓六腑に馴染み、気分が高揚していく。高らかに「kaleido proud fiesta!」と歌われると、無邪気にはしゃいでしまう。
アニメTIGER &BUNNYのタイアップとして歌われてきた、「オリオンをなぞる」「リニアブルーを聴きながら」「harmonized finale」に続く第4作品目も、ド直球にUNISON SQUARE GARDENらしさが詰め込まれていました。TIGER &BUNNYへの愛はもちろん、UNISONの歴史を感じれるような歌詞で、ライブ会場で聴いてから一段と好きになった一曲です。
興奮して眠れなかった夜
ライブが終わったのは、夜の帳が下りた20:30ころ。18:30から始まったライブも、体感時間は数秒。
規制退場をしていると、周りからも「楽しかったね。すごかったね」と小さな声が漏れていて、ウンウンと頷いてしまいました。
こんなにも楽しく、めちゃくちゃに熱くなれる。UNISON SQUARE GARDENの真骨頂はライブにあったんだ!と鼻息も荒くなるものです。
興奮を抱えたまま会場を後にして、ベッドにダイブしたものの、その日は興奮しすぎて眠れませんでした。厳密には、3時間ほどは眠ったでしょうか。流石に激しく身体を動かしていたからか、一睡目は気絶するように夢の中へ。けれど、ふいに目が覚めるとまだ深夜1時。
頭の奥の方で、ライブの熱量が――特にドラムとベースの音がガンガン鳴り響いています。
ついTwitterを覗くと、今日の対バンライブの感想がUPされている。しかも、kaleido proud fiestaのアニメーションMVまで。それはもう、興奮しないというのが無理です。
ライブ会場に居たときの熱気がぶり返して、MVを何十回も見たり、公式Twitterの写真を眺めたりしているうち、夜は明けていくのでした。
まとめ
一人で参戦した初めてのUNISON SQUARE GARDENのライブ。最初は「一人でも大丈夫かな」と心配していましたが、ライブ会場に広がっていたのは、会場全体の一体感より、「わたしとUNISON」の世界なのです。
ステージに引き込まれ、のめり込んでしまう。とにかく、UNISONの世界をたっぷりと味わえます。
ひとつの物語を読み終わった、そんな達成感にも似た最高のライブでした!
おまけ:会場から徒歩2分。居心地がよかった名鉄イン名古屋金山
名古屋会場ということで、ライブ参戦するには1泊2日の小旅行。コロナ禍のため、県外へ遠征するかどうかは悩んだものの、チケット申し込み前に家族と相談し、「まん延防止や緊急事態宣言が出ていないこと」を旅行の条件に。当日まで、家族の誰かが体調不良になったらキャンセルする予定でしたが、無事、名古屋へ行くことができました。
宿泊先は「名鉄イン名古屋金山」にお世話になりました。
なんといっても、ライブ会場「日本特殊陶業市民会館フォレストホール」から徒歩2分の近さ。ライブ前に身支度を整えたり軽食を取りたかったので、金山駅周辺のホテルを探し、一番近かった「名鉄イン名古屋金山」を選びました。
シングル+朝食ビュッフェつきのプランは、¥6,000未満……! 貯まっていたポイントを使って¥5,500以内と、最寄駅から自宅までの深夜のタクシー代とほぼ同じだったことも決め手です。
建物自体は若干古さを感じるものの、スタッフさんのホスピタリティや、お部屋の居心地はとっても快適でした。オトモに持っていった、しょくぱんくんマルチケースとベッドイン。
前述したように、ライブ当日は興奮のあまり眠れませんでしたが、ベッドはシモンズ製、枕も2種類から選べますので、寝心地もよさそう。
備え付けのシャンプー・トリートメント類がPOLAだったり、フロント周辺に歯ブラシやくしなどアメニティが置かれていたりなど、女性に嬉しいサービスも多かったです。
ホテルの近くにスーパー「イオン」とショッピングモール「アスナル金山」があり、食事や買い物にも便利でした。ライブ前、イオンをぶらついていると、名古屋名物味噌かつのお惣菜も。
お土産は金山駅に行かないとありませんでしたが、最寄駅からも徒歩4分の好立地なので、ライブ遠征だけでなく観光や出張にもぴったりだと思います。
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